思考を言葉にする脳の仕組み

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記憶・本能



思考から言語を紡ぎだす脳

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◆ 思考を言語にするブローカ領野 





思考を言語に置き直すのも言語中枢の働きです。


発話機能は、ブローカ領野と言われる運動性言語野が受持っています。


言語を発するには、声帯や舌、唇などの筋肉を自在に動かす必要がある為、ブローカ領野は思考・計画・判断を行う前頭連合野と運動野が接する場所に在って、運動野と連携しながら思考の音声化を行っています。


また、文字を書く時も、手話を行う時も、ブローカ領野が働いています。


またウェルニケ領野とブローカ領野は神経経路で結ばれています。


2つの部位は、主に入力をウェルニケ領野、出力をブローカ領野が行っていますが、密接に連携をとりつつ連動して、言語理解・発話・筆記などを行っています。


ニホンザルなどの猿では、人間のブローカ領野に相当する部位は、吼え声や表情を作る機能を担っています。


5百万年以上前に出現したヒト科のアウストロピテクスは、ブローカ領野の脳神経構造をもっていませんでした。


2百万年前に枝分かれした最初のヒト属ホモ・ハピリスの脳には、既にブローカ領野が存在した痕跡があります。


この時点で人類の祖先は言語を得たと考えられています。


尚、ブローカ領野の損傷で起こる失語障害には、声に出せないだけで無く、運動機能が損なわれていないにも関わらず、手話で話せなくなる手話失語も含まれます。


思考を言葉にする脳の仕組み


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